こんにちは。院長の伊藤です。
いよいよ夏本番、いかがお過ごしでしょうか?
イベントやお祭りにレジャーなど、
外出や遊びの予定が増えるこの季節には、
思わぬ事故や怪我のトラブルも考えられます。
少しでもお口や歯に異変を感じたら、
すぐに当院までご相談ください。
さて、先月のブログでもお伝えしたとおり
今年の6月1日に診療報酬の改定がありました。
その中で、昨今注目を集めている修復治療の
エンドクラウンが保険適用となりました。
多くの方にとって耳馴染みのないものかと思いますので
今回はエンドクラウンについて少し説明させていただきます。
エンドクラウンは歯の欠損を補う
「補綴(ほてつ)装置」 と呼ばれるものの一つです。
歯の被せものと聞くとイメージしやすいかもしれないですね。
このエンドクラウンが注目を集めているのは
これまでの補綴装置と比較して、
低侵襲な修復治療が可能だからです。
深いむし歯などで、
歯の中の神経が炎症や感染を起こしてしまった場合に、
傷んだ神経を取り除き清掃する治療のことを
根管治療と呼ぶのですが、
エンドクラウンはその根管治療後の歯の修復において、
従来型クラウンと比較して多くの利点があります。
従来は、土台を立ててから被せものをつける方法でしたが、
エンドクラウンは歯を横に切断して、
維持するための穴を開けるデザインなので、
土台を立てる必要がありません。
それゆえエンドクラウンには下記のようなメリットがあります。
<エンドクラウンを選択するメリット>
1、 補綴処置製作に伴う歯質切削量が少ない。
2、 支台歯形成による歯周組織への侵襲が少ない。
3、 従来型クラウンと比較して骨縁上組織付着を侵害しにくい。
4、 支台築造が不要であるため、チェアタイムや来院回数の短縮出来る。
5、 再根管治療時に根管内ポストの除去が不要。
6、 ポスト形成に伴う根管内汚染のリスクが無い。
7、 光学印象を用いたフルデジタルワークフローによる製作が可能。
一方で下記のデメリットもあります。
<エンドクラウンを選択するデメリット>
1、 歯肉縁上にマージンを設定する為、
審美領域に適応するとセメントラインが見える可能性ある。
2、 歯冠軸と歯根の方向が極端に異なる症例は、
装着が困難になる事もある。
エンドクラウンは臨床成績を見ても、
従来型クラウンと遜色ない生存率を示しています。
<エンドクラウンの臨床成績>
小臼歯及び大臼歯における
エンドクラウンと従来型クラウンの臨床成績(5年生存率)
エンドクラウン 従来型クラウン
小臼歯 93.8% 98.4%
大臼歯 89.1% 98.2%
(デンタルダイヤモンド2023年9月号巻頭特集から引用)
既存のCAD/CAM冠では、
歯の高さが無い場合は維持が不足して
脱離しやすいと言う問題がありました。
しかしエンドクラウンは、
歯の高さが無い場合でも脱離しにくい設計です。
また、支台築造が不要で、ポストも必要無い為、
奥歯などお口のスペースが少ない症例でも
CAD/CAM材料を用いた修復治療を行うことができる のです。
歯の神経を取った歯に適用する方法なので
神経が残っている場合、この処置は出来ませんが、
新しい選択肢が出て来た事は大変良い事だと思います。
これからも当院では皆さまにとって
最適な治療方法をご提案させていただきます。
ご不明な点やご不安がありましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
あいデンタルクリニック
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