こんにちは。院長の伊藤です。
冷たい北風に季節が
秋から冬へと進んでいることを実感しますね。
寒さは身にしみるだけでなく、
歯に痛みを与えることもあります。
体調管理とともに、お口の健康状態も万全にして
北風に負けずに元気に過ごしましょう。
さて、お口を健康に保つには
すべての歯を漏れなくケアすることが大切です。
今回のブログでは自分では中々意識のし難い
親知らずについて、触れてみたいと思います。
「親知らず」とは
奥歯の最も後方に生えてくる大臼歯で
正式には第3大臼歯あるいは智歯とも言います。
1番最後(18歳~20歳ぐらいの間)に生えるので
お口の中にはもはや
生えるためのスペースが残っていません。
そのため、親知らずが正しく生える人は
全体の3割ほどで、残りの7割は
・埋伏歯(骨の中に埋まったまま萌出しない)
・位置異常(横向きや斜め向きに生える)
など、適正でない状態で生えています。
横向きや斜め向きで不完全に生えてしまうと
歯磨きがし辛いため虫歯になりやすいので
注意が必要です。
皆さんの中に、親知らずは
「不要な歯なので抜いた方が良い」
というイメージを持っている方も
多いのではないでしょうか。
もちろん、全歯が揃っていれば
なくても問題はありませんが、
無理に抜く必要もありません。
抜歯が必要だと判断するパターンは以下の様な場合です。
1、智歯周囲炎
親知らずの周囲が腫れて
炎症を起こして痛みが出ている状態です。
2、親知らずに痛みや、腫れがある。
斜めに生えていて歯が少ししか出ていない時は
歯磨きが行き届かず、虫歯や歯周病になる事があります。
また萌出する所が無いので、
歯肉に覆われたままのところへ、細菌が侵入し
炎症が起きる事があります。
3、歯並びに影響を起こしている時
親知らずが萌出して隣の歯を押す事により
歯並びを悪くする可能性があります。
4、手前の歯に影響がある時
親知らずが虫歯になると、隣の歯にうつる
可能性があります。また、隣の歯が親知らずに押され
歯根が吸収される場合があります。
5、顎関節症になる兆候が見られる時
上顎と下顎の噛み合わさる歯の
どちらかが無い場合は歯が伸びてくるので、
顎の運動を邪魔して顎関節が痛くなる場合があります。
親知らずの位置異常によって
歯並びや噛み合わせが悪くなると、顎関節に負荷がかかり、
痛みが出たり、開口がしにくくなったりすることがあります。
6、口臭の原因となる時
親知らずが綺麗に生えず、清掃しにくい状態だと
不衛生になりやすいため、口臭の原因に繋がります。
7、腫瘍や嚢胞の原因になっている時
骨の中に埋まっている親知らずが、
腫瘍や嚢胞の原因になる場合があります。
親知らずなど骨の中に埋まっている歯が原因で、
歯の周囲に液状の内容物が袋状に生じた症状を
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)と呼びます。
ほとんどが無症状ですが、
放置していると大きくなり、顎の骨を溶かすので、
摘出が必要になります。
稀ではありますが、
埋まっている歯が原因で発生する
歯原性腫瘍が出来る場合があります。
ご自身ではどのような状態か判断しづらいと思いますので
気になる方はお気軽にご相談ください。
あいデンタルクリニック
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