糖尿病、骨粗鬆症、腎不全などの疾患やステロイド薬やビスホスホネート
などの薬剤は骨代謝に影響をします。
糖尿病のインスリン欠乏や高血糖状態は骨芽細胞の機能や数を低下させ、
低回転型骨粗鬆症様の病態を招く事に成ります。
糖尿病は軟組織の創傷治癒不全、易感染性、骨の創傷治癒不全
などがあるために、糖尿病患者さんの抜歯の際は、前投薬をした後に、
抜歯をしています。
糖尿病は骨粗鬆症の危険因子と成ります。
閉経後骨粗鬆症は高回転型骨粗鬆症と言われ骨吸収が、
骨形成を上回ってしまう為に発症します。
老人性骨粗鬆症は低回転型骨粗鬆症と言われ男性に多く、骨形成能が低下し
相対的に骨吸収が進んだ状態である。
ステロイド型骨粗鬆症は長期間ステロイドを投与されている患者は
本人が自覚していなくても、骨粗鬆症が進行している可能性が高いです。
骨粗鬆症患者さんは、経口用ビスホスホネートが投薬されている事が多く、
悪性腫瘍患者さんは、注射用ビスホスホネートが多く使用されています。
ビスホスホネート系薬剤投与患者において、歯科治療を契機とした
ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死の発症が大きな問題となる。
これらの多くは、抜歯やインプラント手術と言った顎骨に侵襲が及ぶ観血処置
をきっかけとして発症しきわめて難治性と成ります。
ビスホスホネート系薬剤を使用している場合は歯科医師に報告して下さい。
慢性腎不全は骨にも影響を及ぼします。
腎障害によりビタミンDの活性化が障害され、カルシウム吸収障害
とリンの排泄障害が原因となり、低カルシウム血症、高リン血症を招きます。
そのために腎不全になると骨粗鬆症と成りやすいです。
骨粗鬆症は転倒などで骨折しやすくなり、それが原因で寝たきりになる事もある。
骨粗鬆症を始めとして、骨代謝に関係する糖尿病、腎不全は国民的問題である。